大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(オ)28 判決

主 文

原判決を破棄し本件を札幌高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人斎藤忠雄の上告理由について。

本件農地が、昭和二〇年一一月二〇日所有者B(被上告人)からDに売渡され、

当時Dが有効にその所有権を取得したこと、本件農地に対する自創法による買収処

分は右売買により既に農地の所有者でなくなつている被上告人を所有者としてなさ

れたことは原判決の確定するところであるから、右買収処分が違法の処分であるこ

とは原判示のとおりである。

しかし、右買収処分の当時、被上告人が本件農地の登記簿上の名義人であつたこ

とは、また、原判決の確定するところであつて、かかる農地の買収処分は、直ちに、

法律上当然に無効であると解すべきではなく、単に取消訴訟の対象となり得るに過

ぎないことは、当裁判所の判例とするところである。(昭和二八年(オ)一二六六

号昭和三三年四月三〇日大法廷判決)

されば右の違法を理由に右買収処分をもつて、当然無効として、被上告人の本訴

請求を認容した原判決はこの点において違法であり、破棄を免れないものである。

但し、原審における本件弁論の経緯に徴するときは、被上告人の本訴請求の趣旨

には右買収処分の取消を求める趣旨をも包含するものと解するのが相当であり、か

つ記録によれば、本件農地の買収令書は、本訴の札幌地方裁判所に係属中、昭和二

七年四月九日被上告人に交付されたことは明らかであるから、右処分取消の訴とし

ての本訴の出訴期間は適法に遵守されたものと解すべきであるから、尚、これらの

点につき審理をつくす要ありと認め、民訴四〇七条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり判決する。

裁判官栗山茂、同谷村唯一郎は退官につき評議に関与しない。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

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